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16- I- 0010 201 6 年 5 月 2 6 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
欧州復興開発銀行
(証券コード:−)【据置】
長期発行体格付 AAAp
格付の見通し 安定的
■ 格付事由
(1) 欧州復興開発銀行(E BRD)は、中東欧・C IS 諸国の市場経済への移行を支援するため、91 年に設立された 国際開発銀行(MDB)。格付は、加盟国からの強い支援、強固な資本基盤、保守的な財務管理に支えられ た健全な財務構造、優先債権者としての地位などを評価している。格付の見通しは安定的である。当行は、 域内国経済の下支えや金融安定化に向け高水準の出融資を継続し、支援対象国も拡大している。いくつか の借入国は厳しい経済金融情勢下にあるが、当行は、資産の質悪化などのリスクに対し十分なバッファー を有している。
(2) 16 年 1 月に中国が新たに加盟し、加盟国は現在、先進国、中東欧・C IS 諸国等 65 ヵ国ならびに欧州委員会、 欧州投資銀行の 2 機関から構成されている。主要業務は融資、出資および保証であり、民間セクターがそ の主な対象となっている(出融資残高の約8割が民間向け)。支援対象国は徐々に増加し、現在は 36 ヵ国。 近年では、11 年に中東・北アフリカ諸国における民主化運動の高まりを受けて業務対象地域が南・東地中 海地域(SE ME D)まで拡大され、これまでにヨルダン、モロッコ、チュニジア、エジプトが受益国となっ た。キプロスおよびギリシャもそれぞれ 14 年、15 年に 20 年までの期限付きで支援対象に加えられた。 (3) 国際金融危機以降は支援を拡大しており、15/ 12 期の出融資承諾額は過去最高の94 億ユーロとなった。従
来、最大の出融資先であったロシアについては、14 年7 月以降は新規承諾を凍結している。他方、近年は トルコ向けの出融資を急速に拡大しているほか、中央アジアや中東・北アフリカ諸国向けの出融資も増や している。15/ 12 期末の出融資残高 286 億ユーロのうち、約 8 割が貸付金、約 2 割が出資であった。3 大貸 付先はトルコ、ロシア、ウクライナで、それぞれ残高全体の 18. 8%、12. 4%、11.3%を占めている。移行 経済国の民間セクターを主な出融資対象とするため、保有資産のリスクは他 MDB に比べ高い。近年はウ クライナ向けを中心に貸出資産の質が悪化しており、不良債権比率は 13/ 12 期末の 3. 3%から 14/ 12 期末 に 5. 6%へ、15/ 12 期末には 5. 9%へ上昇した。出資については、14/ 12期にルーブル下落などに伴い株式 評価損が生じたが、15/ 12 期は評価益に転じている。
(4) 資本基盤は他のMDBと比べても強固である。10 年 5月に決定された増資(準備金から払込資本への繰り 入れ 10 億ユーロ、請求払資本の増資 90 億ユーロの計 100 億ユーロ)により、15 年末の応募済資本は 297 億ユーロと増資前から約5 割増加した。そのうち払込資本が 2 割以上と高いシェアを占めている。請求払 資本も先進国および国際機関が 7 割以上を出資しており、当行が債務返済を行う上で必要な場合には払い 込みの請求も可能である。なお、請求払資本の増資は当初、金融危機に対応するための一時的措置とされ ていたが、15 年に総務会がこれを恒久化することを決定した。当行は、他の MDB と同様に収益拡大を目 的とせず、健全な財務基盤を維持し、業務推進に必要な利益を確保することを財務目標の一つとしている。 業績は保有株式の時価評価が当期損益に反映されるため変動が大きい。14/ 12 期には、株式評価損の計上 や貸倒引当金の増加から赤字(7.2 億ユーロ)を計上したが、15/ 12 期は貸倒引当金の減少、株式評価損の 解消により黒字(4.4 億ユーロ)に転じた。
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■ 格付対象
発行体:欧州復興開発銀行(T he E uropean Bank for R ec onstruc tion and Development) 【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 AAAp 安定的
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2016 年 5 月 20 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:増田 篤
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「国際開発金融機関の信用格付方法」(2013 年 3 月 29 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) 欧州復興開発銀行(T he E uropean Bank for Reconstruction and Development)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が公表した監査済財務諸表
・ 格付関係者が公表した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、または発行体もしくは中立的な機関による対外公表など、当該方針が求める要件を満たし
た情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手していない。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則
17g-7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJ C Rのホームページの“ Rating Information” (http: / / www. jcr. co. jp/ english/ top_cont/ rat_info01. php) に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先